いろどりぷらす

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ふつうの生活に彩りをプラス!おもしろいコンテンツを紹介したり、考えたことを書きます。

映画化する『羊の木』は思わず入り込んでしまう名作マンガ。いがらしみきお原作、メディア芸術祭で優秀賞

 

2016/09/23追記

こちらの記事で紹介している『羊の木』の映画が2018年公開します。そこに関ジャニ∞の錦戸亮さんが出演することが発表されました。記事上部では原作であるマンガの紹介、下部で映画の情報を追記しています。

 

目次

 

『羊の木』は2014年度の第18回文化庁メディア芸術祭、マンガ部門の優秀賞を受賞した作品。おもしろかったので、さっそく感想と共に紹介しようと思います。(ネタバレはないのでご安心を)

 

 

マンガ『羊の木』のあらすじ

 

舞台は架空の地方都市、魚深市。少子高齢化や人材流出など、地方の町が抱えている問題をこの街も抱えていた。

 

そこに突然、魚深市長に舞い込んだのは受刑者の受け入れの話。一定数受刑者を受け入れると補助金が交付されるという。一般市民には受刑者の存在を知らせず、ただの移住者として扱う。これは過疎対策になる。町の発展を願う市長は、受刑者地方都市移住更生プロジェクトをビジネスとして11人の受け入れを決めた。

 

誰が受刑者なのかを把握しているのは、主に町を動かす立場にある3人のみ。

 

罪状は受刑者ごとに様々。たとえば、

 

・殺人

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・強姦

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・強盗致死

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・誘拐、致傷

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となっている。どれも法律上、罪の重い犯罪ばかり。

 

これらの受刑者の存在を知っている3人は、恐れながらも彼らが市民に溶けこめるように努力する。しかし、毎年行われる「のろろ祭り」をきっかけに少しずつ歯車がずれはじめる…

 

 

 なぜ作者・いがらしみきおはこんな物語を書いたのか

 

この物語は設定が特徴的だが、これは作者の問題意識から生まれている。1巻の巻末のインタビューを引用すると、

 

ヤクザの抗争で、三人日本刀でぶった切った奴でも同じ部屋にいられる気がする。でも、借金を断られた腹いせに相手を絞殺した人物には百メートル以上近づきたくない。

殺人を犯したすべての人間が問題なのではない。その中のあるタイプの加害者ですね。注視したいのは。でも、裁判はそれをふるい分けてくれないんだ。『羊の木』ではそれを書こうと思いました。

 

というように書いてある。同じ犯罪を犯した人でも、動機によって抱く印象が変わるということだろう。

 

 

感想 : 気がついたらハマっている作品

 

マンガの登場人物は、作者の裁量で表情、目線、動きが決められている。読んでいると、自分も市民のひとりとして誰が信用できるのか、誰が改めて騒動を起こしそうなのかと予測するのだが、巧妙に受刑者の思惑が隠されている。

 

ラノベやアニメなんかだと、親切なことに登場人物の性質を三人称的に、「この世界ではこの人はこういう人間ですよ」と、はじめの方で説明してくれることが多い。金髪ツインテールの女子だったらだいたいツンデレでしょ、と。だから安心してストーリーを追うことができる。『羊の木』はというと、テンプレ女子が登場するわけもなく、物語の鍵である11人の受刑者の三人称的な説明はほとんどない。あるのは罪状と、主観的に語られる印象だけだ。

 

たとえば、殺人を犯した浜田保に対しては「自分の身勝手な欲望で反抗に及んだ杉山に比べると この静かな男の方が好感がもてる」という印象を持ったことが描かれている。

 

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このように、受刑者の存在を知っている3人の主観でしかそれぞれの人となりが語られない。だから読者も想像しなければならないのだ。誰が信用できる人間なのかを。

 

ふと、人間観察ゲームに参加していると気がついたときには、すでにこのマンガにハマっている。

 

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映画版はマンガと異なる結末に!?

映画『羊の木』の監督は『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八さん。映画版では原作を大胆にアレンジし、原作とは異なるエンディングをつくると公言しています。なので、原作を先に読んでしまっても映画は映画として楽しめるということになりそうです。

 

映画版キャスト紹介

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(このポスターは映画『怒り』に似ていますね。描いているものは違いますが、描き方は似ています。)

 

関ジャニ∞の錦戸さんが演じるのは犯罪者の受入担当となった、市役所職員・月末一(つきすえはじめ)。舞台となる町に帰ってきた月末一(錦戸亮)の同級生・文を木村文乃さんが演じます。

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町に放たれた元殺人犯として、スキのある弁護士太田理江子役に優香さん。 人見知りで几帳面すぎな清掃員・栗本清美役に市川実日子さん。

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ごう慢ですぐ人に絡む釣り船屋・杉山勝志役に北村一輝さん。

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強面で寡黙なクリーニング屋・大野克美役に田中泯さん。

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気弱な理髪師・福元宏喜役に水澤紳吾さん。無邪気で好奇心旺盛な宅配業者・宮腰一郎役に松田龍平さんが起用されています。

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※新しい情報は解禁次第、追記していきます。

 

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