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駕籠真太郎版『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』―『フラクション』駕籠真太郎

 

本のいいとこおすそわけ。

今回ご紹介するのは、 駕籠真太郎 さんの『フラクション』。


 

これは…なんと言えばいいのか。表題作を読むと、 おそらく笑う人と怒る人がいるはず。ちなみに僕は驚くと共に笑った。猟奇ミステリーを読んで笑うとはどういうことか、オチを調べずに読んでみてほしい。当然、この記事にもネタバレはないのでご安心を。

 

この物語は『WAGIRI-MA』『MANGA-KA』という2つの話が交互に展開していく。村上春樹でいうところの『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だ。(物語的には『世界の終わり〜』と全く関連ありません。タイトルは釣りみたいになってしまいました。すいません。)

 

『WAGIRI-MA』はミステリー。ある日渋谷、三軒茶屋付近で上半身と下半身が切断された死体が発見される。しかも1度ではなく何度も。連続輪切り魔はおそらく同一犯と見られる。はたして犯人は誰なのか、なぜわざわざ手間がかかる輪切りにしているのか。

 

一方、 『MANGA-KA』は駕籠真太郎というこのマンガの作者と同名の登場人物が、ミステリーについて語る。「エログロ」として名が知られているため、飽きられてしまうのではないか。だからそろそろ路線変更したらいいのではないかと思案する。よし、次はミステリーだ。駕籠真太郎は担当の編集者とミステリーの手法について語る。

 

フーダニットつまり「誰が殺したのか?」、ハウダニットつまり「どうやって殺したのか?」

 

このふたつはミステリーものでは王道中の王道なわけだけど今さらそれをやってても仕方がない

 

という。

 

なぜこんな話が交互に並んでいるのか。最後まで読むとわかるはず。かなり好きな作品だが、エログロ要素が入っているため、万人におすすめはできない。人が輪切りになっている様子を想像して、大丈夫そうなら手にとってみてほしい。

 

頭がいい人ほど騙される。

もし先がわかったとしたら、あなたは駕籠真太郎だ。

 

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