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好きなことを仕事にしたいですか?


好きなことを仕事にしたいですか。


ここ数年で「好きなことを仕事にする」というような言葉が手を変え品を変え浸透してきたように思います。ノマド、ブロガー、ユーチューバー...。この標語のような言葉は聞いていて心地がいいので、そんな風に生活できるのは羨ましいな、となんとなく憧れる部分がありました。一方でそれって「しあわせ」として語っていいのかなと少し引っかかっていたのも事実。西尾維新さんの対談集『本題』を読んで、この違和感が明らかになったので書きます。

 

 

「才能」がある人は好きなことを仕事にできて羨ましい?

 

ブログで生計を立てている人やYoutubeに動画を投稿して生活している人以外にも、何か特定のことに秀でている、いわゆる「才能」がある人を指して「才能がある人は、好きなことだけしてればいいから羨ましい」というような声を聞きます。売れている漫画家や作家の方もその対象にあたるでしょう。


人気作家、西尾維新さんは「1日で原稿用紙200枚書ける、3日でノベル1冊書ける 」と言われるほど超速筆で有名です。おそらく彼を指して「才能がある」という人は多い。彼の対談集『本題』の中に『ハチミツとクローバー』や『3月のライオン』で知られる人気漫画家、羽海野チカさんと「才能」について話している回があります。

 

 

西尾: 才能とは何かを考えると「他のことができなくなるもの」でもあるだろうし、「他のことができないからそれに専念するしかなくなってしまうもの」であって、『できない』の集大成が結果として才能として特化されていくんじゃないかとは思ったりもします

 

羽海野:才能と言われるものを、何かどこにでも行ける切符のように思っている人がいる。その切符を持っているのはいいな、と言われてしまうと、ややもすると『タナボタで良かったね』みたいに捉えられているように感じてしまって。

切符があるなんて言われたら、生活のほとんどの時間をかけてきた過程の、とても長い思い出がすごく悲しがると言うか、『これのせいでほんとうに他のことは何にもできない人生になっちゃったな』みたいな想いは、ないものにされてしまうんです。

 

西尾:1万時間やったら、もう、やめられなくもなるんですよね。あとにひけなくなる。1万時間やったら2万時間やるしかないみたいになってくる

※ここで言っている1万時間というのは、人の能力に関する有名な説で、どんな分野であってもだいたい1万時間かければ一流になれるという説です。

 

 

同じことを続けていくつらさはどこにでもある

 

「才能」があると言われている人は時間をかけて、好きなことを仕事にできるようになった。けれども、それは同時に他の選択肢を捨ててきた証拠でもある。もしかしたら友だちと遊ぶ時間を削ったかもしれないし、おいしいものを食べるのを我慢してきたのかもしれない。だから「才能」があると言われている人は決してイコールで「しあわせ」とは言い切れない。


ユーチューバーやブロガーもきっとそうです。1万時間とまではいかないまでも生計を立てられるほどになるには時間をかける必要があり、その過程ではいろんな選択肢を捨てていく。進むことのできるたくさんの道を削っていって、いずれその分野の山を登り続けるしかなくなってくる。

 

「好きなことを仕事にする」という言葉に対する違和感は、他のことができなくなっていくこの切なさのような想いを消して、あたかも「好きなことを仕事にする」=「しあわせ」であるかのように語っているところにある。決して「しあわせ」と言い切れるわけではない。同じことを続けているがゆえのつらさみたいなものは常に付きまとう。

 

 

ラクをしたいからユーチューバーに憧れる人たち

 

「好きなことを仕事にしたい」と言っている人たちは、普段の仕事に不満を持っていたり、不満を持っている年上の人たちを見ているのでしょう。「週5日働き続けるの大変そうだな」、「人間関係が会社に縛られていくのはつらいのかもしれないな」、「働いても必ずしも給料上がるわけではないんだよな」... 大学生という僕の立場から見るとこのようになる。


「だったら、好きなことを仕事にしたいね!」となるかもしれないが、ちょっと待て。それって、好きなことを仕事にしたいのではなくて、ただラクをしたいからということじゃないですか。何も考えずに人と衝突もせずにラクして生きたいということではないですか。そういう意味で言うと、きっと「好きなことを仕事にする」=ラクができる というわけではないですよ。動画投稿で生計を立てることや、ブログで生計を立てることに憧れている人はきちんと考える必要がある。


時間をかけていくと、いずれ方向転換できなくなっていきます。1万時間かけたら、2万時間かけなければならない、というようになる。それでも続けていけるのか、自分にとってそれだけ価値があるものなのかどうか。なんとなくラクができそうだからという理由だけでユーチューバーやブロガーを目指していると、気づいたら他のことができなくなっていて、きっと追い詰められてしまいますよ。

 

 

西尾維新対談集 本題

西尾維新対談集 本題

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