近いうちに電子本棚ができて、積ん読はなくなる
『サイコパス』というアニメを見たことがありますか?
精神を数値化できるようになった近未来を描いた大好きなSFアニメなのですが、この中に登場する技術で実現したらおもしろそうだなと思うものがあります。たとえば、動画に一瞬出てくるこれ。
動画では一瞬すぎてよくわからないかもしれませんが、これはソファーがあたかも存在するかのように空間に投影されている様子です。この他にもあらゆるものが電子化されていて、家具や洋服の装飾を一瞬で変更できたりするのです。イメージ的にはプロジェクションマッピングのようなもの、と捉えるとわかりやすいかもしれません。
普段、マンガや本の紹介を中心にしていますが、iPhoneやMacなどのガジェットもとても好きです。なので「近い将来にこんなことが実現できるかも!」的な動画を見て、その技術を待ち遠しく思っています。
こんな本を読みました。
「ネットとは何か」書いてみろと言われていた
こちらのブログでたびたび言及している、ドワンゴの川上さんの最新作『鈴木さんにも分かるネットの未来』。タイトルの「鈴木さん」というのは、川上さんがプロデューサー修行をしていたジブリの鈴木敏夫さんのことです。
川上さんはジブリに入社した当初から、ネットに疎い鈴木さんに「ネットとは何かを自分にもわかるように説明してみろ」と言われていたようです。つまり、誰にでもわかるような平易な言葉を使ってインターネットについて解説した本が『鈴木さんにも分かるネットの未来』ということになります。
電子本棚が発明されて、便利になるかも
この本も相変わらずおもしろかったのですが、電子書籍について書いている章に気になる文章がありました。
紙の本は机の上とか、ベッドの脇とか、本棚に並べておくとか、目につく場所に置くことができます。ここが現在の電子書籍には真似ができない部分です。これについては最終的には電子本棚のようなものができることで解決すると、ぼくは予想しています。
これ、ちょうど欲しいと思っていたんですよ。最近はKindleで本を読むことが多くなってきたのですが、学術書を中心にまだまだ電子化されていないものがあります。だから紙の本も買うのですが、いかんせん本棚がいっぱいで置き場所に困るんですよね。できるだけ電子化してしまいたいものです。川上さんが言うような電子本棚的なものができればいろいろと、現状の本に関する不満が解消されます。
たとえば、
・電子書籍の表紙ないし背表紙を表示する画面の領域は限られているため、所有する本がいくら増えても電子本棚の体積が増えることはありません。省スペースを実現。
・電子書籍は実体がなく、全て画面に表示されるため、一度読んだ本がどんどん階層的に奥の方に所蔵されます。しかし、常に電子書籍の表紙等を表示する場所があれば、過去に読んだ本をランダムで表示するといった形で、いまよりも偶然本を手に取る機会を作れます。電子書籍でもセレンディピティが起こりやすくすることができます。
・紙の本を本棚に置いていると、だんだんと見慣れてしまって背表紙に書いてある文字を無視するようになります。これが読まない本が増える「積ん読」をしてしまう1つの理由です。しかし、電子書籍であれば紙の本に比べて移動のコストが低く、自動で表示順を変えるといったことも可能です。だから表示方法によっては積ん読が減るはずです。
とまぁ、未来予想的なことをしてみて、ますます電子本棚的なものが欲しくなりました。誰かつくってください。タイトルは願望込みでつけました。
こういった話がお好きでしたら、川上さんの本がおすすめです。もっと広くいろんな領域に議論を巡らせていて、ビジネス的にも役立つような話が満載です。興味がありましたら、ぜひ読んでみてください。
次回予告
「電子書籍で読んだ本を頭に残す、超簡単なテクニック」
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