いろどりぷらす

いろどりぷらす

ふつうの生活に彩りをプラス!おもしろいコンテンツを紹介したり、考えたことを書きます。

国立新美術館『日本のマンガ*アニメ*ゲーム展』が思ってた以上に良かった!

『日本のマンガ*アニメ*ゲーム展』に行ってきました。ただ単にこれまで流行った作品を並べているだけなのかと思っていましたが、想像以上でした。名作の絵コンテや、製作過程がわかる展示があったりと、なかなか見られないクオリティの企画展になっていました。もうすぐ終わってしまうのが惜しい...。あと1回は行きたい。

 

f:id:irodoriplus1:20150825232016j:plain

 

『日本のマンガ*アニメ*ゲーム展』とは

『日本のマンガ*アニメ*ゲーム展』は、2015年6月24日〜8月31まで六本木の新・国立美術館で開催されている企画展です。撮影禁止だったのが残念…!美しい展示を見て、展示作品で遊べる、楽しい企画展でした。展示は章立てがされていて、1章から7章まで以下のように並んでいました。

 

第1章 現代のヒーロー&ヒロイン
第2章 テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現
第3章 ネット社会が生み出したもの
第4章 出会う、集まる―「場」としてのゲーム
第5章 キャラクターが生きる=「世界」
第6章 交差する「日常」と「非日常」
第7章 現実とのリンク
第8章 作り手の「手業」

 

中でも印象に残った3章、4章、7章について書いていきます。

 

第3章 ネット社会が生み出したもの

デジタル技術を駆使した制作技術とインターネット社会の広がりによって、マンガ、アニメ、ゲームを作り、共有する構造は変化してきました。作品の共有は、作り手と作品の受け手(読者や視聴者、プレーヤー)を直接つなぎ、その関係性は、次なる創作にフィードバックしていくサイクルとなっています。

 

インターネット上での情報共有やコミュニケーションが新たな作品を生み出す土壌となっているといえるでしょう。第3章では個人/同人制作や二次創作など、ネット社会を背景とした、新たな創作プロセスの中で生み出された作品を紹介します。

「IT革命」なんて言葉が使われるようになってから、どれくらい時間が経ったでしょうか。高校生の頃なんかに小論文の課題として「IT革命」についての文章を書いたような気がしますが、最近までその意味をきちんと実感として持てていませんでした。

 

第3章に展示されているのは、どれもインターネットを発信源とした作品たちです。「IT革命」以前までは作品は基本的に組織から生み出されるものでした。しかし、「IT革命」と呼ばれるパワーシフトにより、必ずしも大きな組織ではなくてもアイデアと熱量さえあれば、多くの人に届く作品が生まれるようになりました。

 

展示作品のひとつ、『ぐんまのやぼう』なんかは記憶に新しいかと思います。『ぐんまのやぼう』はスマートフォンアプリからの収入だけで生計を立てている28歳の男性が開発し、群馬の観光大使に選ばれるほど大きな話題を集めました。

 

また、ブログから書籍が生まれることも多くなりました。ちきりんさんやイケダハヤトさんといったネット上の有名人ではなくても、KDP(キンドル ダイレクト パブリッシング)で大きな組織を通さずとも多くの人に読まれる本を作れます。IT技術の進化は、個人の意思によって新しい可能性を追求できる機会を生み出しています。 

 

第4章 出会う、集まる―「場」としてのゲーム

ゲームはひとり部屋にこもって遊ぶもの…、それは今や古い見方です。キャラクターの身体を借り(コントローラー越しに)「拳」で語り合いながら対戦すること、そして、インターネット上の「仲間」と共同しながらミッションをクリアすることなど、ゲームの世界では他者とのコミュニケーションが必須のものとなっています。

 

また、音楽ゲームでは、プレイすること自体が一つのパフォーマンスと言ってもよい作品も多く作られてきました。プレーヤーは自身が遊ぶだけに留まらず、作品の実演者としての役割を持ち、作品の「完成形」を押し広げる役割を担うようになっています。

 

そして、そのことはゲーム作品をプレーヤーとその周りの観衆を巻き込んだ体験の共有へと導きます。第4章では、「コミュニケーションの場」と呼ぶべく進化したゲーム作品を紹介します。


いまや、友だちと一緒にゲームを楽しむのが当たり前になりました。その大きなきっかけをつくったのがモンハンの愛称で知られる『モンスターハンター シリーズ』です。携帯型ゲームで友だちと一緒にフィールドを駆け回れる楽しさは当時とても新鮮でした。

 

『モンスターハンター』のような携帯ゲーム以外にも、スマホが普及したいまでは、『モンスターストライク』、『白猫プロジェクト』といった人気のソーシャルゲームもプレイヤー同士で対戦/協力プレイができるのが当たり前になっています。こういったゲームは何度プレイしても内容自体は変わらないものの、友だちとプレイすることでその時々に起こるコミュニケーションが変わり、なかなか飽きないコンテンツとなります。

 

ゲーム実況はその派生コンテンツです。Youtubeのゲーム実況動画やニコニコ動画にあるゲーム実況動画はいまや、多くの人が見て当たり前になってきました。同じゲームでも実況者が違うと全く違う動画になるため、飽きることなく同じゲームの実況動画を実況者を横断して見ている人もいます。

 

実況者が動画を投稿し、視聴者がそれに対してコメントをしながら楽しむ。もはや対戦プレイ/協力プレイという枠を越えて、ゲームはコミュニケーションのための装置としても使われるようになっています。

 

展示場にも実際にゲームがプレイできる場が用意されていて、『シーマン』や『パワプロ』、『鉄拳』など懐かしいゲームや初めて触るゲームを同伴者と楽しんでいる様子が見られました。

 

第7章 現実とのリンク

マンガ、アニメ、ゲームは時に現実の社会から強く影響を受けた作品を生み出します。特に幾度かの震災は、強い影響を与えました。3つのジャンルのなかでもマンガは世相に素早く反応し、その時々に応じた多彩な題材を作品として描いてきました。

 

働くこと、作ること、日本の伝統文化を継承すること・・・、90年代以降のマンガはこれまでに数多く描かれてきた学校や恋愛、スポーツといったテーマに加え、より多彩で、実社会との接点を持った題材の作品を生み出し続けています。第7章では、現実とリンクした多様なテーマを持つマンガを中心に紹介します。

アニメや、ゲームといった作品に比べると、圧倒的に関わる人数が少ないのがマンガです。手の混んでいない簡単なものであれば、Twitter上で毎日のように見かけます。しかし、アニメの場合などは音響、作画、監督、進行などなど、ゆうにその倍は越えるような人数の手が加わっています。

 

製作のハードルが低い分、「あ、これについて描こう!」と思ってから世に出るまでのスピードが圧倒的に早くなりますし、世に出る数も多くなります。だから、マンガは他の作品形態よりも必然的に実社会での出来事を反映させやすいのです。

企画展『日本のマンガ*アニメ*ゲーム展』は、2015年6月24日〜8月31まで六本木の新・国立美術館で開催されています。少しでも興味を持ったら、足を運ぶことをおすすめいたします。

惜しくも、日程が合わない方、遠方の方はボリュームたっぷりの公式本もおすすめです。かなりしっかりした出来になっています。

 

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム from 1989

 

 

展示の大まかな様子がわかる動画

 

【ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展】

会期:2015年6月24日(水)~8月31日(月)
会場:東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館 企画展示室1E
時間:10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで。(入場は閉館の30分前まで)
観覧料:当日 1,000円(一般) 500円(大学生)/団体 800円(一般) 300円(大学生)※高校生、18歳未満の方は入場無料
休館日:毎週火曜日

 

関連記事

『ダンジョン飯』読んだらこれをやれ!生きるために何でも食べる『ダンジョンマスター』

「その企画は室町時代でもウケますか?」糸井重里の魅力的なコンテンツづくりの秘密

「このマンガがすごい!2015」ランキング上位10作品まとめました【オンナ編】