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『ダンジョン飯』2巻のあるコマに、リアルさを演出する作者のこだわりを感じた

 

2015年8月15日に発売された『ダンジョン飯』の2巻、読みました。相変わらず良かったんですよ。そもそも『ダンジョン飯』って何?という方はこちらをどうぞ。あらすじや感想について書いています(RPGの世界で生きるとはこういうこと。『ダンジョン飯』は生活感満載のグルメマンガでおもしろい)

 

ダンジョン飯』は細かい所に世界感を支える描写がある

1巻を読んだ時にも書いたのですが、このマンガの1番おもしろいところはRPGの世界をあたかも現実かのように描いているところだと思います。リアルなんです。ダンジョンの中で生活をせざるを得なくなった主人公たちに注目している、という設定自体もリアルさに影響していますが、細部にも徹底したこだわりを感じます。本当に細かいところに世界観を支える描写があるんですよ。

 

たとえば、『ダンジョン飯』2巻に載っている第9話「オ−ク」。この話のあるコマを見たときに、「おぉ、やっぱりすごい!」と思いました。それはこのコマ。

 

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うわっエルフだ ブサイクだなー

 

ほんとに小さいコマですが、オークたちがエルフを見て「醜い」と言っています。『ダンジョン飯』を読んでいない方のためにそのエルフの姿も載せましょう。

 

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エルフは普通にかわいいのに...

エルフちゃん(年齢不詳)、普通にかわいくないですか?日本人読者の多くは、エルフをかわいいというはずです。(たぶん...) しかし、すべての人種、時代の人からかわいいという評価をうけるわけではないでしょう。なぜなら、「美」は普遍的なものではなく、場所によって、時代によって変化するものだからです。

 

オークがエルフを見て「ブサイク」と言っていることから、『ダンジョン飯』の世界でもそれぞれの種族の異なる価値観が存在することがわかります。これは、現実世界で人種や国、時代によって美醜の定義が微妙に異なることを物語の中でも適用しているということです。あのひとコマでこんなことを考えてしまうなんてとてもめんどくさい読み方をしていますが、それぐらいあのコマに驚きました。

 

かわいいエルフのいろんな表情が見られるのは魅力の1つ

オークにとってはブサイクでも、僕を含む人間にとってはエルフがかわいいはずなので、彼女のいろんな表情が見られるのも本作の魅力!モンスターを食べることに興味津々な主人公とは違い、エルフはゲテモノが苦手。だいたいのモンスターを食べることを嫌がります。まぁ、確かに歩くきのこや、動く鎧の中身なんかあまり食べたくないですよね…。

 

でも、『ダンジョン飯』の世界ではモンスターを食べなければ生きていけないので、嫌々食べるんです。この表情がたまらな… おっと。表情豊かな女性は魅力的ですよね!

 

各話ごとに新しい発見も 

各話ごとに新しいモンスターが登場するので、読むと毎回新しい発見があります。例えば、2巻のメニューはこのようになっています。() 内は登場するモンスターです。

 

第8話 キャベツ煮(ゴーレム)
第9話 オーク
第10話 おやつ(宝虫)
第11話 ソルベ(霊)
第12話 宮廷料理(生ける絵画)
第13話 塩茹で(ミミック)
第14話 水棲馬(ケルビー)

 

ゲームに出てくるときは、ゴーレムなんて「たたかう」の連打で倒してしまって印象に残らないかもしれませんが、食べるとなると「どうやって食べるんだろう」と好奇心が湧きませんか? 正確には本作ではゴーレム自体は食べませんが。

 

少年マンガのように物語が劇的な展開の連続、というわけではありませんが、毎回毎回知らなかったモンスターの生態や、調理方法について触れることができるので、想像以上に飽きません。グルメマンガでこんなに新鮮に読めるのは珍しいです。

 

まだまだ2巻ということで、これからもダンジョン内のモンスターを食べ尽くして欲しいところです。毎回楽しみなおすすめのマンガです。1巻は紙媒体がしばらく売り切れ状態だったので、そちらをお求めの場合は早めにどうぞ。

 

 

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