いろどりぷらす

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映画『聲の形』が、タイトルのせいで不遇な扱いを受けているようだ

2016年9月17日、人気マンガ『聲の形』の映画が公開された。僕は初日に映画館へ足を運んだ。

 

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原作を知っている身としては予告のPVだけで込み上がり、「aikoの声との相性がよすぎて死ぬかもしれない」なんて公開前から期待をしていたのだが、いまいち周囲の盛り上がりが欠けているような気がする。公開されても絶賛の声が響いてこないのだ。

 

おそらく一番の原因は『君の名は。』の大ヒットである。よくある「大ヒット上映中!」という予告の誇張ではなく、控えめに言っても大ヒット。カップルで鑑賞するなど、主に若い人たちにウケているようだ。興行収入ランキングは公開から3週連続で1位。累計で動員数481万人、興行収入は62億円を記録しているという。なんてことだ。この影に『聲の形』は隠れてしまったのか。

 

おかげで『聲の形』はヒドい扱いを受けている。

 

3人ぐらいしかいない友だち(うち1人は実体がない)のうち、1人とはアニメやマンガの話をする。だが彼は趣味が偏っているせいで、この頃の作品に対する興味が薄いのだ。『君の名は。』の公開からしばらく経ち、僕は2回観た。当然友人にも熱心に勧めた。そのかいあって彼もようやく劇場に重い足を運んだようだ。ひとしきり内容について話したあとのこと。

 

僕「9月の終わりにはもうひとつよさそうな映画が公開になる」

彼「あれだろ、『君の聲』!」

 

いやいやいや、いくら好きだからって影響されすぎでしょ。確かに少女マンガのタイトルにありそうだし、『(漢字) の (漢字)』とタイトルを構成している要素は両作品で似ているけれど、その間違いはないでしょ。

 

しかしこれだけではなかった。『聲の形』はもっと不遇な扱いを受けている。

 

予告を見ている人であればこの作品の名前が『聲の形(こえのかたち)』という読みであることが明らかなはずだ。僕も当然知っていた。だが、マンガの表紙や映画のポスターをチラッとしか見ていないのか、このタイトルの読み方を把握していない人がどうやら多いよう。明らかに違う単語なのに『○の形』と検索すると『聲の形』の公式ホームページが上位に表示されるのだ。

 

(この現象は、タイトルの読み方が分からずおおざっぱに検索した結果、目的である『聲の形』のHPを見つけてクリックしているということだろう。もし『聲の形』のHPへのリンクをクリックせずに通り過ぎていたら表示されなくなるはずだから。)

 

みんなそれぞれの『聲の形』の読み方を、ウーンとうなりながら必死で想像して、検索している。その結果、大喜利のような状態になってしまった。うち一部をご紹介しよう。

 

なんとなく似ているけど『聲の形』ではないタイトル、ひとつめ。『蟹の形(かにのかたち)』

 

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まぁー確かにこれは似てるわ。漢字の読み方がわからなくて、「あのー…なんか蟹みたいなやつ!」と自分の語彙の限界を認識しながらも、なんとか近いところを攻めている。努力が見受けられるので80点。

 

 

次はこちら。『蝉の形(せみのかたち)』

 

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これは似てなくない?逆になんで蝉を連想したのかが気になる。蝉は鳴き声が大きいから、声の印象が強くて、映画のタイトルもうっすら耳に残っていて、蝉っぽい感じする…って、しないわ。50点。

 

 

最後はこちら。『鯉の形(こいのかたち)』

 

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これはさ、もう確信犯じゃん。漢字の形は全く似てないし、音は1文字違い。正しくは、『こえのかたち』って知っているけれど、あえての『鯉の形』。なぜ? 20点。(もしかして作中に鯉がたくさん出てくるから…?)

 

難しい漢字を作品のタイトルにしてしまうと、漢字を打ち込むことができず多くの人が検索できなくなってしまうようだ。「詳しくは、検索!」と詳細をWebページで知ってもらいたいのなら、小学生でも読めるようなタイトルにしましょう。