いろどりぷらす

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ふつうの生活に彩りをプラス!おもしろいコンテンツを紹介したり、考えたことを書きます。

Kindle市場でも1位を獲得。かっぴーの『左利きのエレン』は「絵がヘタ」なのにおすすめしたくなるワケ

まずはこの表紙を見てもらいたい。

 

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素人としての感想だけど、


「下手じゃない?」って思わなかった?


まあ確かにお世辞にもきれいな絵ではないと思う。

 

それなのにこのマンガは刺さる、刺さる。

 

ついにはKindleアンリミテッドで1位を獲得!

 

  

なんで?

 

なんでなの?

 

この疑問に対する僕なりの仮説を書いていきます。

 

かっぴーさんは元々広告業界の人。約2年前にネットでデビュー


と、その前に「かっぴーって誰やねん問題」を解決するため軽く紹介をしておきますね。

彼は武蔵野美術大学でデザインを学んだのちに、広告業界へ。2015年に『フェイスブックポリス』を公開しネットデビューを果たします。

 

その後は『SNSポリス』や『おしゃ家ソムリエ!おしゃ子!』といったマンガをネットで公開し、SNSのユーザーや”おしゃれぶった人”なんかを揶揄した内容が、たちまち話題となりました。

 

 

頻繁にネットに触れる人なら、どちらか見かけたことあるんじゃないかな?

 

これらはどれも、絵がきれいなわけではないのに多くの人に評価されています。

 

絵はきれいじゃないといけないのでは...?に対する仮説


とても不思議でした。

 

絵ってきれいじゃないといけないんじゃないの…?

 

でも、歴史に名を残している人が描く絵も、素人的な目で見ると「これ下手じゃない?なんでこんなのが評価されてるの??」なんて思ってしまう。(もちろんこれは僕の目が腐っているから)

 

ここから推測できるのは、素人の目でわかるきれいさだけでは印象に残る作品にはならないよってこと。(マンガだと当然ストーリー展開なども含まれるので判断が難しいところですが)

 

じゃあ何が大事なんだよ

 

って思うじゃないですか。

 

考えたところ、ある概念が浮かびました。

 


僕の答えは「主観的情報量」だ!!!

もうこれしかない。

 

 

この考え方はドワンゴの川上会長の『コンテンツの秘密』という本で提唱されているもの。(この本もめちゃくちゃおもしろい)

 

 

どういうことか。

 

例として2つの文字列を比較してみましょう。

 

①客観的情報量が多いが、主観的情報量は少ないケース
→ああああああああああああああああああああああ

 

②客観的情報量は少ないが、主観的情報量が多いケース
→私は今日アイスを食べました。


少し意訳すると、ディスプレイに表示されている文字数ではなく、それを見た人が受け取る情報のことを「主観的情報量」と呼んでいるわけです。

 

『コンテンツの秘密』にはこんな風に書かれている。

 

「実写で飛んでいる本物の飛行機を見るよりも 、宮崎駿監督が描く飛行機のほうが鮮明な印象を観客に与えたりする 。

 

こういうことが起きるのは 、宮崎駿監督が脳が認識するときのより純粋な飛行機そのままを描いているのに対して 、実写だと他にもいろいろなものが写り込んでいて 、そのようなノイズを削ぎ落とすと 、実は貧弱な飛行機しか人間の脳には見えていないということでしょう 」

 

宮崎駿監督の作品が情報量が多いというのは 、脳が認識しやすい情報量が多いというふうに解釈できるでしょう 」

 

描き込みの量はそんなに多くないし、形も正確ではないけれど観客が受け取りやすい形になっているから、結果的に受け取る情報量が多くなる。

 

これと同じことを、意識的か無意識的かわからないがかっぴーさんはやっているのだと思う。

 

あたかも下手に見えるタッチで絵が描かれることによって、マンガから受ける刺激が強くなる(主観的情報量が多い)んだ。

 

ものすごくざっくり書いてしまったけど、要はそういうことだと思う。

 

とまあかっぴーさんの描く絵の魅力について語ったわけですが、申し訳程度に『左利きのエレン』の内容にも触れておこう。

 

最後に『左利きのエレン』のあらすじ

 

舞台はデザインやアートの世界。広告代理店に勤める凡人の主人公と、”天才”であるエレン。それぞれがものづくりに携わる身として苦悩する姿を描いているのが『左利きのエレン』です。

 

特に、ブログをやっていたり、デザインをやっているなど、ものづくりに関わっている人ならグサグサとセリフが刺さるんじゃないかな。


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