いろどりぷらす

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『無能なナナ』は1巻だけでも予想外の展開が楽しいスゴいマンガ

ダ・ヴィンチniconicoが創設した『次にくるマンガ大賞』の第三回のコミックス部門でノミネートしている『無能なナナ』がとってもおもしろかったので感想を書きます! 

 

※注意事項

すみません、はじめに謝っておきます。


この記事ではちょっと嘘をついてます!そうでもしないとネタバレになってしまって紹介できないんです。


ちなみに『無能なナナ』がおもしろいというとこではないからね。


ネタバレしてほしくなかったら公式ホームページとかも見ないほうがいいよ。

 

あらすじ

50年ほど前に地球に到来した「人類の敵」と戦うために、特殊な能力を身につけた若者たちが孤島の学園に集められた。主人公の中島ナナオは他人の能力を無効にできる能力を使ってクラスのリーダーに選ばれ…

 

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あれ、なんかに似てない?

 


科学と魔術で戦うのかな?

 


惨めな幻想を、右手でぶち壊すの?

 


って思ってた時代が僕にもありました。設定は似てる気もしますが、内容は全然違います。

 

 

ナナオとナナが特殊能力の相性がよくて急接近!

 

ヒロインのナナは人の心を読む能力を持っている。そのため常に他人が心の奥底に秘めている言葉が聞こえてしまう。便利なようにも見えますが、けっこうツラいことなのではないでしょうか。

 

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心は読めるが空気は読めないというナナ。ウザめ。

 

だって仮に恋人がいたとして、表面ではすごく自分のことを好きなように振舞っていながらも実は「こんなヤツと一緒にいる価値はない」なんて思われてることがわかってしまうんですよ。心が読める系の物語あるある。

 

 

でも、覚えてますか。

 

 

主人公の中島ナナオは能力を無効化する能力を持ってます。

 

 

ナナオはナナに触れている間だけ心が読まれなくなるんです!

 

 

これはナナにとってどれだけ安心できることか。他の人では得られない安心感が得られるんだから、そりゃ一緒にいたいと思うのは当然でしょう。

 

このことに気づいた2人は一気に距離を縮めます。

 

それにしては展開早いような。

 

 

 

だって、1年続いたアニメの最終回じゃないんだよ?

 

まだ1話目。

 

 


やだな〜

 

怖いなあ〜

 

ひた…ひた...と何かが迫ってきている気がします。

 

 

 

まあ何かが起こるんですけどね。

 

というところでネタバレなしの紹介はここまで!ほぼなんにも説明できませんでした。


物足りないので、ここからネタバレありで感想を書きます。ネタバレされないうちに楽しみたければ、この記事に目を通すのはここまでにしてぜひ読んでください!1巻だけでもとてもおもしろいので。

 

さすが『次にくるマンガ大賞』で投票を集めるだけあります。 

『無能なナナ』

 

 


↓以下ネタバレ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレありの『無能なナナ』の紹介

 

ナナオとナナがいい感じになるって言ったじゃないですか。

 

でも、

 

すぐにナナオが殺されちゃうんですよ。ナナに。

 

どういうことかって?


ナナは心を読む能力なんてないんです。他の生徒と同じように「人類の敵」と戦う力を身につけるために学園に通っているのではなく別の目的があるんです。

 

それは近い将来に人類を脅かす特殊な能力を持った者たちを抹消すること。

 

つまりナナは他の生徒を殺すために学園に来てたんです!

 

普通の人間からしたら、特殊な能力を持っている人間が結託すれば国が滅びる。無能力者である国の上層部が能力者からの支配を恐れて、ナナへ任務を与えたのでした。

 

僕がおもしろいと思ったのはこの騙し感。はじめのページで中島ナナオを出してこの作品の主人公であるかのような印象を読者に焼き付ける。

 

そしていわゆる学園モノのようにヒロインとひょんなことから距離が縮まり、これからキスでもするのか...というところで次のページをめくるとナナオは崖から突き落とされ殺される。

 

以降はナナが無能でありながら、厄介な能力を持った生徒たちを殺すために知略を尽くす物語へ様変わりします。読むと『無能なナナ』というタイトルの意味がわかるんですねえ。

 

1巻である意味クライマックスに近い、いい騙され感が味わえるんですがそれ以降もナナが自分に向けられる疑いの目を避けながらいかにして生徒を殺すかと戦略を練って実行する過程はハラハラします。

 

 

まさに『北の国から』の倉本聰の提唱する“糖衣錠”方式

君の名は。』『怒り』のプロデューサー川村元気さんがいろんなプロフェッショナルにインタビューをした『仕事』という本があります。

 

取材対象の一人に『北の国から』の脚本を書かれた倉本聰さんがいます。彼の言葉が『無能なナナ』で使われている手法に近いので紹介します。

 

倉本:本当に書きたいものだからこそ、ストレートに伝えるんじゃなくて、ゲリラ的に出さないといけないとも思いました。具体的には“糖衣錠”という方法を思いついたんです。

 

川村:外側だけ甘くすると。

 

倉本:ええ。僕らの時代は学童疎開をしたときに甘いものが欲しくて、東京から糖衣錠を送ってもらって、周りの糖分で甘みを取ったんです。おやつ代わりにね。要するに本当に書きたい核の部分は苦いんだけど、外の部分だけ甘くすることで、後でじわじわきいてくるという。

 
外の部分(導入)をコメディチックな学園ものに見せかけることで、実は生徒を殺しにきているヒロインの行動の異常さが引き立つ。

 

この考え方はプレゼントとか、ブログの記事とか他の場所でも使えそうですね。

 

っと話が脱線しましたが『無能なナナ』、おもしろいですよ!