前半=ウハウハ、後半=鬱、最後=… ライトノベルという名のヘビーノベル『絶深海のソラリス』
ライトノベルはたまに読む程度なのですが、これがかなりのヒット。あー、ネタバレしたい。
あらすじ
“水使い”それは22世紀の人類が生み出した“深海踏破の異能”―。山城ミナトは水使いの訓練生を指導する教官として、母校であるアカデミーに帰ってきた。そんな彼の教え子は二人。落ちこぼれでもマイペースな幼馴染の星野ナツカと、性格に難はあるが水使いとして至宝の才能を生まれ持つクロエ=ナイトレイ。時には反発を見せながらも前に進もうとする彼女たちを見て、ミナトは教官であることに楽しみを感じ始めていた。しかし、深海に沈む都市に“S.O.S”が鳴り響いた時―平和だったミナトの日常は終わりを告げる。“深海”ד絶望”戦慄の本格パニックノベルが登場。―この“結末”を、僕達はまだ、知らない。
前半は典型的なハーレム展開
前半はいわゆる「ラノベ」的な展開。金髪ツインテールのつるぺたツンデレというテンプレ中のテンプレの少女を指導する主人公。もうひとりの指導対象は豊満な果実を身につけている、犬っぽいおっとり系の幼馴染。しかも同僚には面倒見の良いちょいエロ教師。両手どころか周囲に花の無条件ハーレム状態。
もはや飽和している他の作品との差別化のため、こんなテンプレキャラはもはや絶滅危惧種ですがたまに触れるとやっぱり魅力的。(ちなみに僕は犬系幼なじみのナツカ派)※1巻の表紙の子がナツカ
内容を知ってしまう前に読んでください
この作品を知ったのは『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』という僕が大好きな書評ブログですが、ほとんど紹介している文章を読まずに即購入、即読破、でしたので予備知識は全くありません。だからこそ、様子の変わる後半へと読み進めるにつれて思わず体にぐっと力が入ってしまいました。
この作品は予備知識ない方が楽しめます。なのでここらで興味を持った方は読み始めてください。ネタバレは書きませんが、そのエッセンスは伝わってしまうと思いますので。安心してください。おもしろいので。
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「驚き」がある作品が好き
と、きちんと予防線を張ったところで、もう少し中に入りたいと思います。ギャルゲやラノベを読むのが好きなのは、そこに自分の理想の世界が広がっているから。なんやかんやあって、結局ヒロインと結ばれたり、大したこともしてないのにハーレム状態でウハウハだったり。
一方で、僕が作品に求めるのは広い意味での「驚き」。古典的なホラーの手法のように「来るぞ、来るぞ…きたー!」的な驚きではなく、自分が予想していたことを裏切るような展開があったり、泣こうと思っているわけではないのに自然と涙がこぼれてしまうような感情の揺さぶり。こうしたいろんな方向を含めた「驚き」のある作品が好きです。
本作は見事に「驚き」ました。前半ウハウハ、後半鬱、最後は…。
絶望率100%
“深海”×”絶望”戦慄の本格パニックノベルが登場
― 絶望率100%
という紹介文にある言葉に偽りはありません。イヤだ、イヤだ、と思っていても物語は進んでいきます。その展開から目は離せませんでした。もはやちょっと泣いてたかも。
「深海」というと、やはり思い浮かぶのは『Ever17』。超名作の影響は強く、そんな展開を予想していましたが、全然違う。そろそろネタバレしてしまいそうなので、終わります。おすすめ「ライト」ノベルです。
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