単なるニュースアプリからコミュニティ化へ『スマートニュース』の新機能がおもしろい
どうも、いろぷらです。
マンガブログといいつつ、最近はメディアの観察日記みたいになってきてます。
去年ぐらいからとても流行っているキュレーションアプリってありますよね。たくさんのアプリを常に比較して、それぞれの良さみたいなのを細かく見ている人以外、正直いって違いがわかる人なんていないと思います。
僕も全部だいたい同じだな、という認識でした。ですが12月23日に少しだけ差がついてきた印象です。なにがあったのかというと、『スマートニュース』のアップデートで実装された新機能がおもしろかったんです。
新機能1: 天気
まぁこの機能自体は説明不要でしょう。天気予報が確認できる機能です。自分の所在地をあらかじめ設定しておけば、その地域の天気概要を知ることができます。
なぜキュレーションアプリに天気の機能なんてつけるの?と疑問に思うかもしれません。その答えはテレビ番組を思い出せばわかります。
家にテレビがある人は、朝なにを見ていますか?
おそらく慌ただしく家を出る準備をしつつ、片目にはニュース番組をみて、「今日は傘必要かな」「今夜寒くなるなら暖かい格好しなきゃ」というように天気を確認するはずです。外出する人にとって天気の情報はその日の行動計画を立てる上でとても価値のある情報です。
キュレーションアプリは基本的に広告収益モデルなので、どんな方法であれたくさんの人に高い頻度でアプリを開いてもらわなければなりません。だから毎日確認したくなる=毎日アプリを開きたくなる、天気予報情報を入れるというのは十分効果を期待できるものなんです。
新機能2 : 実況
天気に比べて斬新な機能がこちらの「実況」です。この機能は簡単にいうと、テレビ番組への完全匿名のコメント集約機能です。自分が住んでいる地域の情報を登録すると実況のタブには各チャンネルのテレビ局の枠が表示されます。
それぞれの枠には匿名で一言のコメントが投稿されていきます。よいコメントには「いいね」と反応を返すことができるようになっています。
まだリリースされたばかりなのでそれほど多くの人が使っているわけではありませんが、これまでTwitter上でやっていた「バルス!!!!」みたいなテレビ番組に対する反応の渦をこのアプリ上でつくる仕組みとして、とてもおもしろいです。「いま私が見ている番組に他の人はどんな感想持ってるんだろう」というのは気になりますよね。
可処分時間の獲得競争への一手
当然すぎてもはやいう必要はないほどですが、時間は有限でどんなサービスも自分のサービスに時間を使ってもらうために必死になっています。そのための手段として、これまでのキュレーションメディアの考え方は「たくさんのメディアのページをそれぞれ訪れるよりも、このアプリで全部見れる方が便利でしょ。」というように情報の一元化による利便性を打ち出していました。
その裏には「このアプリで世の中の情報をだいたい知れるのに、テレビとか他のメディアに触れるなんてセンスない」という対抗心を感じます。しかし新しく実装された「実況」の機能は、「他のメディアではなく自分のメディアを見て!」という対抗心よりも、「テレビっておもしろいよね。そのおもしろさをサポートするよ」という協力態勢が感じられます。
Twitter上でのテレビ番組の実況や、ゲームをする傍らでは動画を流し見るマルチタスクが一般的になっているので、「実況」の機能のように「テレビを見ながらこのアプリを使ってね」というなものは、可処分時間(自分の裁量で自由に使える時間)を獲得するために有効な一手です。
UIなどまだまだ改善の余地はありそうですがアプリ内にコミュニティをつくろうとしている方向性はとてもおもしろいです。利用ユーザー数で他のキュレーションアプリに差をつけていた「スマートニュース」がまた一歩差をつけましたね。