変態主人公がタイムリープ!時を越えて初恋を汚す―『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』永瀬ようすけ
本のいいとこおすそわけ。
こんにちは、いろぷらです。
僕はたまにあの頃に戻れたらいいな、と思うことがあります。程度の差はあれど、誰でもそう考えることがあるのではないでしょうか。 物語でも時間遡行/タイムリープといった形で記憶はそのままに、時間を戻してやり直す作品がたくさんあります。
『時をかける少女』、『シュタインズゲート』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『マブラヴオルタネイティブ』(名作!)、今期やっていたアニメだと『失われた未来を求めて』なんかが、時間を巻き戻す作品にあたります。
これらはたいてい、大切な人を守るために過去に戻って奮闘する物語です。はじめは守れなくて絶望し、最後にようやく自分が望んでいた未来をつかむ様子を見て視聴者はカタルシスを味わえます。
しかし、同じく過去をやり直す作品なのに全く異なる作品があります。それが永瀬ようすけさんの『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』です。タイトル長い。主に1巻についてしか触れず、最終回や結末などのネタバレはしないので、 安心して読んでください。
『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』
この作品の主人公は向井和也32歳無職童貞。強烈な劣等感を持って生活しています。
部屋ぐちゃぐちゃだし、髪ぼさぼさだし、絵に描いたような堕落している向井(32歳無職童貞)。酷い生活を送っていると、ある日、自分が好きだった女の子、アンナから自分の親友と結婚し、妊娠したという報告を受ける。
するとなぜかふとした拍子に、記憶はそのまま、向井(32歳無職童貞)は小学校時代に戻ってしまう。大人になってからの生活に全く満足していなかった向井(32歳無職童貞)は時間が戻ったのは都合がいいと判断して「今度こそ自分がアンナと結ばれるんだ」と物語は進んでいきます。
この主人公の変態度合いは他のタイムリープものでは見かけません。「誰かを助けたい」というような慈善的な目的を果たすのではなく、完全に私利私欲の道を走ります。
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まだ2巻までしか出ていませんが、どんな結末になろうと異質でおもしろいことには違いありません。いま注目の作品です。完結しました。
この後2巻からかなり方向が代わり、ようやくタイトルの意味が分かります。なぜ1巻の主人公である向井(32歳無職童貞)は明らかにアンナを虐げる存在なのに、タイトルではアンナを守るようなスタンスになっているのか...。最終回ではいったいどんな結末を迎えるのでしょうか。ネタバレはしません。気になる方はぜひ読んで確認してください。
現在(2015年9月6日)、kindle版の1巻がセールで99円になっています。興味がある方は、いまのうちに読んでおくとお得です。※Kindle版の価格は細かく変動するので、必ず購入前にご確認ください。
最低な話だけどアンナ〜でカズヤがはじめてイクミと⚪︎⚪︎⚪︎した鉄橋はこの多摩川の立川鉄橋がモデルなんすよ pic.twitter.com/Cg1RNPUE7k
— 永瀬ようすけ (@youtantan) 2015, 8月 24
『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』が気になるなら、こちらはいかがですか。
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