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秘密を共有した2人は夏を越え、大人になっていくー『神様がうそをつく。』尾崎かおり

 
本のいいとこおすそわけ。今回ご紹介するのは『神様がうそをつく。』というマンガです。1巻完結でとっつきやすい小さな冒険物語です。短いながらも、読んでいてぐっときてしまいました。ネタバレはなしなので、安心してください。
 
 

あらすじ

 
七尾なつるは東京から転校してきた小学6年生。クラスの女子に無視され、サッカーチームの新任コーチともソリが合わない。そんな時、大人びたクラスメイト・鈴村理生の、誰にも言えない秘密を知ることに…。夕立、お祭り、「とうふ」という名の白い猫。小学校最後の夏。少年少女のひそやかな冒険が始まる。(Amazon.co.jp: 神様がうそをつく。 (アフタヌーンKC): 尾崎 かおり: 本)
 
「誰にも言わないで」「わかった。誰にも言わないよ」
小6の夏休み。少女と交わした約束が、少年を変える。(単行本帯より)
 

秘密を共有した2人は夏を越えて、大人になっていく 

 
小学生くらいの頃は、自分の周りにいる人たちが世界のすべてだと思っていました。インターネットは使えなかったし、携帯もない。教室で毎日のように会う友だちや、隣の家のお姉さんたち、そういった人だけが僕の世界をつくっていた。
 
本作の主人公たちも同じ。サッカー好きのなつると大人びてランドセルの似合わない理生(りお)は共に孤独を感じていました。なつるの通っているサッカー教室の先生ががんで入院してしまって、新しく来た先生はどうも馬が合わない。そのせいであんなに楽しかったサッカーにいまいちのめり込めない。
 
一方、理生はというと、学校に友だちはいない上に、唯一の親である父は漁師でアラスカに行っているという。まだ小学生だというのに、弟の面倒を見ていてとても大人びています。
 

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そんな2人がひょんなことから小さな同棲生活を始めることになるのですが、理生はある秘密を抱え込んでいました。それは誰にも言えないもの。親を頼ることもできないし、弟に話すこともできない。当然、学校にも話せるような仲のいい友だちはいない。
 

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悪いことだってわかっててても
それしか
できない時って
どうしたらいいの!?
 
必死で隠していたけれど、なつるは理生の抱える秘密を不意に知ることになる。世の中の人は秘密を知ったら批判するかもしれない。でもなつるは決して理生を責めなかった。むしろ、必死で理生を守ろうとした。秘密を共有し、日常のしがらみから逃げようとしたときに、ようやく2人の心がつながる。この瞬間に思わず目が潤んでしまった。
 

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子どもは葛藤のうちに置かれることによってしか成熟しない
 
小学6年生ながら、自分の子どものような弟の面倒をみて、親であることを強制されていた理生。子どもができればすぐに親にはなれるが、大人になれるわけではない。まだまだ子どもだったなつると理生は葛藤の末に成熟し、夏を越えて大人になっていく。

 

試し読みできます

神様がうそをつく。 / 尾崎かおり - アフタヌーン公式サイト - モアイ

神様がうそをつく。

神様がうそをつく。

 

 

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